我が末裔、ただ一人になりし時
ログリスは一つになり繁栄す。
(ログリス創世記ゴルド王の章より)
ログリス全土を巻き込む戦いの発端は、オルニックから始まる。
オルニック王は、既に滅びてしまった古代ログリス王国ゴルド王の血を引く女、キャサリンを妃に迎えた。
親子程も年の離れた王の元にきた彼女は冷たい美貌の女であった。
彼女は、権力と支配力を欲しがり、ついには年老いた王を廃位させ、自ら女王に即位し、
ログリス全土を手に入れる為、南へと侵略を開始した。
手始めに麓のリッチモンド領が襲われ、瞬く間に占領されてしまった。
さらにベニックのリザードマンを服従させ、エルフ王ロイの一人息子をさらい人質とした。
キャメロットの王ユーサーは、兵を集めて籠城し、事の成りゆきを見守った。
オルニック軍の勢力は南下し森の民に迫っていた。
カーディック城のペリーズ王の元に傷ついた武者が一人たどり着いた。
リッチモンド領から命からがら逃げのびた領主リッチモンド伯である。
「オルニックの真の目的は、このカーディアンに他ならないのです。キャサリンは、
ログリス創世記のゴルド王のあの言葉を信じているのです。今、
ゴルド王の血を引く子孫はキャサリンとペリーズ王、ソフィア王女の三人だけです。
ただちに兵を挙げ、オルニック軍の南下を阻止しなければ。」
「リッチモンド伯よ。わしはこの通り自らの身もままならない。
わしの兵を率いてキャサリンめの企てを打ち砕いてくれ!」
病床のペリーズ王は、傷の癒えたリッチモンドに国の運命を託すことにした。
こうして今、ログリス全土を巻き込むオルニックとカーディックの戦いが始まろうとしていた。
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